転職による雇用保険の手続きに必要な書類
転職時の雇用保険の手続きは、ほとんど事業主が行うことなので、
正しく手続きをされているか不安になる方もいるかもしれません。
ここでは、看護師が転職するときの雇用保険の手続き方法や、
必要な書類などについて、看護師(従業員)の視線で解説していきます。
1.退職による雇用保険の資格喪失手続きに必要な書類
退職理由によっては、雇用保険の喪失手続き方法について、
前の職場に聞きにくいこともあるかもしれません。
ここで手続き内容をチェックしてみましょう。
1-1.いつまでに、どこで資格喪失手続きをするのか?
病院やクリニックなどを退職した日の翌日から10日以内に、
事業所を管轄するハローワーク(公共職業安定所)の適用課で
雇用保険の資格喪失手続きをします。
もしくは、インターネットから電子申請での手続きも可能です。
1-2.誰が、何の書類を提出するのか?
事業主、もしくは社会保険労務士が、退職する従業員の
「雇用保険被保険者資格喪失届」と、
「雇用保険被保険者離職証明書」を提出します。
1-2-1.資格喪失届を提出した後に受け取る書類は?
ハローワークに離職証明書を提出すると、
「雇用保険被保険者離職票-1」
「雇用保険被保険者離職票-2」
が交付されます。
離職票は、退職後の求職者給付を受給する手続きに必要になります。
離職者(退職者)は、事業主から受け取って大切に保管しておいてください。
1-3.仕事を失ったときに、給付金が支給されます
雇用保険は、労働者が仕事を失い収入がないときに、
必要な給付金を支給(失業等給付)することにより、
生活の安定や、次の仕事に早く就職できるようにすることを目的としています。
1-3-1.仕事を失ったときに安定した生活を送るための給付金
この給付金を支給することを「求職者給付」といいます。
受給期間は、原則として退職日から1年間であり、
受給額は、年齢や退職した理由(離職理由)などによっても変わってきますが、
1日あたり(基本手当日額)最低1,976円から、最高8,205円となっています。
(平成29年8月1日現在)
この給付を活用することで、
昼間に就職相談を受けて、新しい就職先を探すことや、
求人応募・面接等の求職活動をすることができます。
1-3-2.再就職を援助・促進するための給付金
この給付金を支給することを「就職促進給付」といいます。
就職促進給付には、再就職手当や就業手当などがあり、
一定の条件を満たし、早く次の仕事に就職できたときに支給されます。
1-3-3.雇用の安定を図るための給付金
この給付金を支給することを「教育訓練給付」といいます。
具体的には、厚生労働大臣が指定した教育訓練を受講し、終了した場合に、
教育訓練経費の20%に相当する額が支給されます。
ただし、その支給額の上限は10万円とし、
4,000円を超えない場合は支給されません。
転職を機に、新しい資格の講座を受講しようと思う場合は、
その講座が教育訓練給付制度の対象になっているか、
調べられることをおすすめします。
2.入職による雇用保険の資格取得手続きに必要な書類
新しい職場に入職したときに加入する雇用保険の取得手続き内容を、
ここでチェックしましょう。
2-1.いつまでに、どこで資格取得手続きをするのか?
病院やクリニックなどへの入職日の翌月10日までに、
事業所を管轄するハローワーク(公共職業安定所)へ
雇用保険の資格取得手続きをします。
取得の場合も、喪失手続き同様に、
インターネットから電子申請での手続きも可能です。
2-2.誰が、何の書類を提出するのか?
事業主、もしくは社会保険労務士が、入職する従業員の
「雇用保険被保険者資格取得届」を提出します。
2-2-1.資格取得届を提出した後に受け取る書類は?
ハローワークに取得届を提出すると、
「雇用保険被保険者証」が交付されます。
2-3.雇用保険被保険者証で加入の有無を確認する
雇用保険被保険者証は、労働者に対して交付されるものなので、
必ず事業主から受け取って、雇用保険の加入日を確認しておきましょう。
まとめ
この記事では、転職時に必要な雇用保険の手続きについて、解説させていただきました。
要点をまとめると、
雇用保険とは、労働者が仕事を失い収入がないときに、
失業等給付を支給する保険制度であり、
退職したときには、雇用保険の資格喪失手続きをする。
入職したときには、雇用保険の資格取得手続きをする。
入退職のどちらも手続きは、事業主が行うので、
労働者は、手続き後の書類を受け取るだけです。
受け取る書類は、
入職時には
「雇用保険被保険者証」
退職時には、
「雇用保険被保険者離職票-1」
「雇用保険被保険者離職票-2」
を受け取ってください。
離職票は、退職後の求職者給付を受給する手続きに必要になります。
大切に保管しておいてください。
雇用保険は、失業等給付だけでなく、育児休業時に支給される育児休業給付もあります。
転職時には、その事業所が雇用保険の適用事業所であるかを確認して、
求人票(求人情報)で労働条件が雇用保険の取得条件に該当しているかどうかを確認しておきましょう。
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